問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
52歳の女性。徐々に増強する全身倦怠感を主訴に来院した。脈拍 100/分、整。血圧 90/60 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 99 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。心音はⅠ音とⅡ音の減弱を認める。心電図を別に示す。心エコーで心囊液の貯留を認めた。
この患者で考えにくいのはどれか。
a. 結核
b. 尿毒症
c. 悪性腫瘍
d. 甲状腺機能亢進症
e. 全身性エリテマトーデス<SLE>
心タンポナーデの原因を問う問題。
心エコーで心囊液の貯留、頸静脈の怒張や心音の減弱も、心嚢液貯留による影響を反映している。
心嚢液貯留は、甲状腺機能低下症、結核、尿毒症、悪性腫瘍、全身性エリテマトーデスなどの病態で見られる。
一方で、甲状腺機能亢進症は、心嚢液貯留を引き起こす原因ではない。