問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
54歳の男性。頭痛と視力低下とを主訴に来院した。2年前の冬にRaynaud現象 が出現し、1年前に指先に潰瘍が出現したため皮膚科を受診し、全身性強皮症の診断を受けた。仕事が忙しくて半年間病院を受診していなかったが、頭痛と急な視力低下が出現したため来院した。
脈拍 92/分、整。血圧 218/120 mmHg。四肢に皮膚硬化を認める。
尿所見:蛋白1+、潜血+。血液所見:赤血球 250 万、Hb 7.5 g/dL、Ht 24 %、網赤血球 3.0 %、白血球 8,200、血小板5万。血液生化学所見: 総蛋白 6.9 g/dL、総ビリルビン 2.0 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 35 U/L、LD 610 U/L(基準 176〜353)、尿素窒素 52 mg/dL、クレアチニン 4.5 mg/dL。眼底検査で視神経乳頭の浮腫を認める。末梢血塗抹標本で破砕赤血球を認める。
この患者で認められる所見はどれか。
a. 血清補体低下
b. 血清ASO上昇
c. 血清M蛋白上昇
d. 血漿レニン活性低下
e. 血清ハプトグロビン低下
強皮症腎クリーゼの患者。