問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
25歳の男性。激しい頭痛のために救急車で搬入された。3年前から短時間の動悸を1日2、3回自覚するようになった。半年前、健診で血圧高値を指摘され、その頃から動悸が頻回に出現するようになり、頭痛、前胸部痛および手指の蒼白を伴うようになった。今朝から激しい頭痛があったため救急車を要請した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はなく、飲酒は機会飲酒。家族歴として母親に甲状腺髄様癌の罹患歴がある。
身長 174 cm、体重 52 kg。体温 37.5 ℃。心拍数 120/分、 整。血圧 240/124 mmHg。四肢の冷感を認める。項部硬直や jolt accentuation を認めない。腹部超音波検査で左側腹部に径 12 cm の腫瘤影を認める。心エコー検査 と頭部 CT とに異常を認めない。高血圧緊急症を疑い、カルシウム拮抗薬の点滴静注を行ったが、その後も頭痛と収縮期血圧が 200 mmHg 以上の高血圧および頻脈が持続している。
この時点の対応として正しいのはどれか。
a. 経過観察
b. α遮断薬投与
c. β遮断薬投与
d. アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬投与
e. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)投与
褐色細胞腫への対応の症例。
甲状腺髄様癌の家族歴もありMEN2もありそう。