問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
62歳の男性。左視床出血で入院中である。6週間前に右上下肢の脱力感のために来院し、左視床出血と診断され入院した。入院後の経過は良好で、退院に向けたリハビリテーションを行っている。
意識は清明。身長 172 cm、体重 71 kg。血圧 118/78 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 97 %(room air)。徒手筋力テストで右上肢筋力は4、右下肢筋力は腸腰筋4、大腿四頭筋4、前脛骨筋2。右半身の表在感覚は脱失し、位置覚は重度低下している。食事は左手を使って自立しており、立ち上がりもベッド柵を使用して可能である。患者は事務職への早期復職を希望しているが、通勤には電車の利用が必要である。
退院に向けたリハビリテーションの目標として適切なのはどれか。
a. キーボードを見ずに右手でパソコン入力を行う。
b. 閉眼したまま右下肢で片足立ちを保持する。
c. 長下肢装具を用いた移乗動作を行う。
d. 介助を受けてズボンの上げ下ろしを行う。
e. 短下肢装具とT字杖とを用いて歩行する。
常識的に考えましょう。