問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
42歳の男性。空腹時の意識障害を主訴に来院した。30歳ころから空腹時に意識が遠くなる感覚があり、ジュースや飴などを摂取して症状が改善することを経験していた。内視鏡検査前の絶食時に意識消失発作を生じたため血液検査を受け、低血糖(46 mg/dL)が判明した。母親に尿路結石破砕術歴、母方祖母に下垂体腺腫の手術歴がある。
身長 170 cm、体重 89 kg。脈拍 88/分、整。血圧 140/92 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。左腰背部に叩打痛を認める。
血液生化学所見:総蛋白 8.2 g/dL、アルブミン 4.4 g/dL、AST 42 U/L、ALT 62 U/L、尿素窒素 19mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 102 mEq/L、Ca 13.2 mg/dL、P 2.3 mg/dL、空腹時血糖 54 mg/dL。インスリン 42 IU/L (基準17 以下)。
診断のために有用でないのはどれか。
a. 腹部造影 CT
b. 頸部超音波検査
c. 下垂体造影 MRI
d. 血中カテコラミン測定
e. 血中下垂体前葉ホルモン測定