問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
24歳の男性。血尿を主訴に来院した。これまで尿の異常を指摘されたことはなかった。4日前に咽頭痛と 38℃の発熱があり、昨日から血尿が出現したため受診した。
体温 37.8 ℃、脈拍 72/分、整。血圧 120/78 mmHg。口蓋扁桃の腫大を認める。顔面および下肢に浮腫を認めない。皮疹は認めない。
尿所見:蛋白3+、潜血3+、沈渣は赤血球 100 以上/HPF。随時尿の尿蛋白/クレアチニン比 2.0 g/g クレアチニン(基準 0.15 未満 )。血液生化学所見:総蛋白 6.7 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、IgG 1,400 mg/dL (基準 960〜1,960)、IgA 450 mg/dL(基準 110〜420)、IgM 100 mg/dL (基準 65〜350)、CK 50 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL。免疫血清学所見:抗核抗体陰性、CH50 30 mg/dL (基準 30〜40)、C3 88 mg/dL (基準 52〜112)、C4 20 mg/dL(基準 16〜51)、ASO 200 単位(基準 250 以下)、MPO-ANCA 陰性、PR 3-ANCA 陰性。
最も考えられるのはどれか。
a. IgA 腎症
b. 膜性腎症
c. ANCA 関連腎炎
d. 微小変化型ネフローゼ症候群
e. 溶連菌感染後急性糸球体腎炎