問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
81歳の女性。脳梗塞後のリハビリテーションのため入院中である。細菌性肺炎を併発し、2週間前から抗菌薬による治療を受けていた。1週間前から腹痛、下痢を訴えるようになり、昨日から下痢が頻回になった。
意識は清明。身長 156 cm、体重 41 kg。体温 37.9 ℃。脈拍 80/分、不整。血圧 146/90 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 96 %(鼻カニューラ 3L/分酸素投与下)。心音に異常を認めない。両側胸部にcoarse crackles を聴取する。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。左下腹部に圧痛を認める。左上下肢に不全麻痺を認める。
血液所見:赤血球 358 万、Hb 10.9 g/dL、白血球 13,300、血小板 19 万。血液生化学所見:総蛋白 5.7 g/dL、アルブミン 2.9 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 19 U/L、LD 245 U/L (基準 176〜353)、クレアチニン 1.1 mg/dL、血糖 98 mg/dL、HbA1c 7.1 %(基準 4.6〜6.2)、Na 138 mEq/L、K 3.4 mEq/L、Cl 101 mEq/L。CRP 3.1 mg/dL。
次に行うべき検査はどれか。
a. ベロトキシン
b. β-D-グルカン
c. 便中 Helicobacter pylori 抗原
d. 便中 Clostridium difficile トキシン
e. 結核菌特異的全血インターフェロン γ 遊離測定法<IGRA>
抗生剤加療による菌交代現象、偽膜性大腸炎の症例。