問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
13歳の女子。疲れやすさを主訴に来院した。陸上部に所属している。1年前から疲れやすさを自覚し、短距離走の成績が落ちてきたことに気づいていた。最近、より疲れやすくなったため受診した。食欲は旺盛である。病院の階段を上る際に動悸と胸の苦しさを感じたという。
脈拍 120/分、整。血圧 136/72 mmHg。頸部触診で甲状腺の腫大を認める。心音では胸骨左縁第2肋間にⅢ/Ⅵの収縮期雑音を聴取するが、呼吸音には異常を認めない。手指に振戦を認める。
血液所見:赤血球 452 万、Hb 12.3 g/dL、Ht 36 %、白血球 8,900、血小板 23 万。血液生化学所見:総蛋白 6.1 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、AST 33 U/L、ALT 31 U/L、尿素窒素 13 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、TSH 0.1 μU/dL 未満(基準 0.5〜5.0)、FT3 30 pg/mL 以上(基準 2.2〜4.3)、FT4 10 ng/dL 以上(基準 0.9〜1.7)、抗 TSH 受容体抗体陽性。
現時点の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
a. 食事量の制限
b. 甲状腺摘出手術
c. 部活動の休止指示
d. 抗甲状腺薬の投与
e. 放射性ヨウ素の投与
バセドウ病の症例です。