問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
32歳の男性。左前胸部痛を主訴に来院した。4日前から38℃前後の発熱があり市販の総合感冒薬を服用していた。2日前から左前胸部に痛みを感じるようになったため心配になり受診した。痛みは持続性のじりじりする感じの痛みで、いつから症状があったかはっきりしないが、少しずつ症状が増悪してきており、現在は深く息を吸うとやや増強するという。心電図を別に示す。
最も予想される聴診所見はどれか。
a. Ⅰ音の亢進
b. Ⅱ音の奇異性分裂
c. 心膜摩擦音
d. 連続性雑音
e. 頸部に放散する収縮期雑音
広範なST上昇を認めており、急性心膜炎の診断である。
心膜摩擦音は、炎症により粗になった心膜と心臓がこすれることで生じる。