問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
60歳の男性。妻に黄疸を指摘され来院した。45 歳時に糖尿病と診断され経口糖尿病薬を服用している。
意識は清明。体温 36.8 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 128/76 mmHg。呼吸数 14/分。眼瞼結膜は軽度貧血様で、眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。右季肋部に軽度の圧痛を認める。下腿に浮腫を認めない。
血液所見:赤血球 356 万、Hb 10.8 g/dL、Ht 35 %、白血球 7,500、血小板 38 万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dL、アルブミン 4.2 g/dL、総ビリルビン 5.8 mg/dL、直接ビリルビン 3.7 mg/dL、AST 48 U/L、ALT 65 U/L、ALP 689 U/L(基準 115〜359)、γ-GTP 243 U/L(基準 8〜50)、尿素窒素 45 mg/dL、クレアチニン 3.5 mg/dL、血糖 153 mg/dL、HbA1c 7.4 %(基準 4.6〜6.2)。CRP 1.1 mg/dL。
まず行うべき検査はどれか。
a. 腹部造影 CT
b. 腹腔鏡下肝生検
c. 腹部超音波検査
d. 磁気共鳴胆管膵管撮像<MRCP>
e. 内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査<ERCP>
閉塞性黄疸の症例である。
まずは侵襲の少ない検査を行う。