問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
48歳の女性。転倒による大腿骨骨折のため、昨日入院した。昨晩は夜間に全く眠らない状態が続き、今朝から手指と上肢に粗大な振戦が出現した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。20歳から飲酒を開始し、32歳から夫の母親を自宅で介護するようになり、飲酒する頻度が増えた。38 歳から連日昼間も飲酒するようになり、45歳からは 1日に焼酎 500 mL 以上を飲酒していた。
体温 36.7 ℃。脈拍 68/分、整。血圧 140/88 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
血液所見:赤血球 392 万、Hb 13.0 g/dL、Ht 42 %、白血球 7,500、血小板 17 万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 1.0 mg/dL、AST 140 U/L、ALT 80 U/L、γ-GTP 210 U/L(基準 8〜50)、総コレステロール 295 mg/dL、トリグリセリド 240 mg/dL。頭部CTで異常を認めない。
数日以内に出現する可能性の高い症状の予防に適切な薬剤はどれか。
a. 選択的セロトニン再取込み阻害薬
b. ベンゾジアゼピン系薬
c. 精神刺激薬
d. 抗精神病薬
e. 抗酒薬
ベンゾジアゼピン系薬は、断酒時の離脱症状を軽減することができる。