問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
45歳の男性。造船所でアーク溶接作業に従事している。本日、午前11時ころ、作業場が暑かったので、保護具を外して汗をぬぐってしまい、溶接時に発生する光に曝露したという。特に自覚症状はなく、その後の作業にも差し障りはなかったが、念のためにと同じ作業場の同僚が気遣い、昼食後、午後2時に同僚とともに医務室を訪れた。
意識は清明。眼球結膜に軽度充血を認める。視野は良好。眼や耳の痛みは訴えていない。瞳孔、口腔粘膜および皮膚に異常を認めない。
対応として適切なのはどれか。
a. 問題ないと伝える。
b. 救急車を要請する。
c. 水分を経口摂取させる。
d. 呼吸機能検査を勧める。
e. 眼科医への紹介受診を勧める。
電気性眼炎の問題。
電気性眼炎は光に晒されてから6-10時間後に症状が出現するため、受診時にはまだ症状が出現していない可能性がある。現時点では眼科医受診が無難。