問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
32歳の女性。腹痛と悪心を主訴に来院した。毎年、健診は受診しているが、これまで異常を指摘されたことはない。5日前から 37 ℃台の発熱と咽頭痛があったが、軽い感冒と考えてそのままにしていた。昨日夜から上腹部痛と悪心を自覚し、今朝になり受診した。
意識は清明。身長 158 cm、体重 46 kg。脈拍 96/分、整。血圧 102/58 mmHg。腹部に圧痛は認めない。
尿所見:蛋白 (-) 、糖 3+、ケトン体 3+。血液所見:赤血球 510 万、Hb 15.0 g/dL、Ht 45 %、白血球 11,500、血小板 27 万。血液生化学所見:クレアチニン 1.2 mg/dL、アミラーゼ 270 U/L (基準37〜160)、空腹時血糖 328 mg/dL、HbA1c 6.2 % (基準 4.6〜6.2)、トリグリセリド 388 mg/dL、LDL コレステロール 58 mg/dL、HDL コレステロール 28 mg/dL、血清総ケトン体 1,885 μmol/L (基準 130 以下)。CRP 2.0 mg/dL。動脈血ガス分析:pH 6.99、PaCO2 22.1 Torr、PaO2 83.5 Torr、HCO3 - 5.2 mEq/L。腹部単純CT で異常を認めない。生理食塩液の輸液を開始した。
次に行うべきなのはどれか。
a. 輸液のみで経過をみる。
b. スルホニル尿素薬を投与する。
c. フィブラート系薬を投与する。
d. 持効型インスリンを皮下注射する。
e. 速効型インスリンを持続静注する。
糖尿病性ケトアシドーシスの症例。輸液+速効型インスリン