問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
34歳の女性(1妊1産)。産後2週の妊産婦健康診査を希望して、分娩した産科診療所に来院した。2週間前に第1子である 3,150 g の男児を経腟分娩した。
来院時の体温 36.5 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 126/76 mmHg。
尿所見は蛋白 (-)、糖 (-)。内診で子宮復古に異常は認めず、悪露も正常であった。母乳哺育を行っているが、うまくできているかとても心配で毎日よく眠れない。育児は全く楽しくなく、ときに自分を傷つけたいとの思いが浮かぶという。日本語版エジンバラ産後うつ病質問票<EPDS>への自己記入の結果、合計点数は12点(基準8以下)であった。
この時点の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
a. 抗精神病薬を処方する。
b. 精神科への受診を提案する。
c. 児と分離することを目的に入院させる。
d. 本人の同意を得て市町村に患者情報を伝える。
e. 母乳哺育を中止し人工乳哺育にするように指導する。
産後うつの症例。