18歳の男性。発熱、嘔吐および下痢を主訴に来院した。1週前に自宅で熱湯により、前腕に水疱を伴う熱傷を負った。自宅近くの診療所で軟膏を処方され様子をみていたが、本日になり発熱、嘔吐および褐色でやや粘度のある下痢が出現したため、家族に付き添われて受診した。意識レベルはJCS I-2。
身長 165 cm、体重 56 kg。体温 39.0 ℃。脈拍数 112/分、整。血圧 80/40 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 99%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。全身に紅斑を認める。熱傷部はびらんとなっている。
血液所見:赤血球 420万、Hb 13.2 g/dL、Ht 42%、網赤血球 1.2%、白血球 9,300(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 45%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 17%)、血小板 25万。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 3.9 g/dL、総ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 18 U/L、LD 178 U/L(基準 120〜245)、ALP 120 U/L(基準 115〜359)、γ-GT 9 U/L(基準 8〜50)、CK 46 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素 40 mg/dL、クレアチニン 1.2 mg/dL、Na 131 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 97 mEq/L。CRP 4.4 mg/dL。
原因微生物として最も考えられるのはどれか。
a. 大腸菌
b. 緑膿菌
c. カンジダ
d. 肺炎球菌
e. 黄色ブドウ球菌
toxic shock syndromeの症例。
黄色ブドウ球菌により大量に産生されるtoxic shock syndrome toxin-1(TSS-1)と呼ばれる菌体外毒素(exotoxin)が原因。