問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
救急外来で小児を診察した研修医から指導医への報告を以下に示す。
研修医:「8か月の男児です。2日前か ら 38 ℃台の発熱、咳嗽、鼻汁が続くため来院しました。保育所で同じような症状のお子さんがいるようです。4種混合ワクチンは2回接種されています。眼球結膜の充血はありません。軽度の喘鳴を認めました。鼻汁がひどく SpO2 がルームエアーで 94 % であり、入院も考慮する必要があると思います」
指導医:「患児の外観はどうですか」
研修医:「少しぐったり感があり、機嫌が悪いです」
指導医:「呼吸状態はどうですか」
研修医:「軽度の陥没呼吸がみられます」
指導医:「皮膚色はどうですか」
研修医:「チアノーゼはなく、毛細血管再充満時間は2秒未満でした」
指導医:「発疹はありますか」
研修医:「ありません」
指導医:「鑑別診断のため患児に必要な検査は何ですか」
これに続く研修医の返答として最も適切なのはどれか。
a. 「咽頭溶連菌迅速検査を行います」
b. 「鼻腔 RS ウイルス迅速検査を行います」
c. 「尿中肺炎球菌抗原迅速検査を行います」
d. 「咽頭アデノウイルス迅速検査を行います」
e. 「咽頭マイコプラズマ迅速検査を行います」
a 溶連菌は咽頭痛を伴う。
b 細気管支炎の原因としてRSウイルスは考えやすい。
c 肺炎を疑う所見に乏しい。肺炎球菌ではなさそう。
d アデノウイルスは咽頭痛を伴う。
e マイコプラズマは発症がゆるやか。