問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
48 歳の女性。食欲低下と倦怠感を主訴に来院した。5日前から感冒様症状と食欲低下があり、市販薬を内服して寝込んでいた。昨日から倦怠感が強くなり、さらに今朝になって呼吸困難やふらつきも生じたため受診した。既往歴、生活歴および家族歴に特記すべきことはない。
身長 160 cm、体重 50 kg。脈拍 116/分、整。血圧 86/50 mmHg。呼吸数 24/分。SpO₂ 93 %(room air)。心音は奔馬調律。両下胸部にcracklesを聴取する。
血液所見:赤血球 495 万、Hb 14.6 g/dL、白血球11,000、血小板 17 万。血液生化学所見:AST 2,324 U/L、ALT 2,532 U/L、LD3,292 U/L(基準 120〜245)、CK 6,064 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素 47 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、総ビリルビン 1.4 mg/dL。CRP 2.3 mg/dL。来院時の心電図を別に示す。心エコー検査で左室拡張末期径 50 mm、左室駆出率は 20 %。その後、完全房室ブロックが出現し、一時的ペースメーカー留置とともに冠動脈造影を行った。冠動脈造影像を別に示す。
最も疑われる疾患はどれか。
a. 急性心筋炎
b. 拡張型心筋症
c. 急性心筋梗塞
d. たこつぼ心筋症
e. 急性肺動脈塞栓症
自明