問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
38 歳の女性。発熱と鼻汁を主訴に来院した。3年前に多発関節痛を主訴に総合病院を受診したところ関節リウマチと診断され、メトトレキサートによる治療が開始された。半年前から関節痛が増悪したため、抗 TNF-α 抗体の自己注射が開始され、症状の改善を認めた。昨夜から鼻汁が出現し、今朝から 38 ℃台の発熱が出現したため受診した。本日、抗 TNF-α 抗体を自己注射する予定だったという。
体温 38.8 ℃。脈拍 90/分、整。血圧 148/88 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 98 % (room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。関節の腫脹や圧痛は認めない。尿所見:蛋白(-) 、潜血(-) 、沈渣は赤血球 1〜4/HPF、白血球 1 以下/HPF。
この時点での対応として最も適切なのはどれか。
a. 抗菌薬を投与する。
b. ステロイドパルス療法を行う。
c. 他の抗リウマチ薬を追加する。
d. メトトレキサートを増量する。
e. 本日の抗 TNF-α 抗体の自己注射をしないよう指導する。
関節リウマチ患者が風邪をひいた時の対応。
ひとまず、生物学的製剤を延期しましょう。