78歳の女性。胸部不快感を主訴に来院した。

現病歴: 2週前から労作時に胸部の不快感を自覚するようになり受診した。

既往歴: 61歳時に糖尿病、65歳時に高血圧症、高尿酸血症と診断され、内服加療中。76歳時に肺炎で入院加療を受けた。1年前から椎間板ヘルニアによる腰痛に対し鎮痛薬の処方も受けている。腰痛のため運動量の減少に伴い、最近は筋肉量の減少も指摘されていた。

生活歴: 80歳の夫と2人暮らし。喫煙は24歳から20本/日を37年間。飲酒は機会飲酒。

家族歴: 父親が70歳時に心不全で死亡。

現症: 意識は清明。身長 154 cm、体重 41 kg。体温 35.8 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 142/88 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 96 % (room air)。眼瞼結膜に異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。胸骨左縁第3肋間を最強点とするLevine 2/6の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左足背動脈が不良で冷感を認める。

検査所見: 尿所見:蛋白 2+、潜血(-)、糖(-)、尿蛋白 1.5g/日。血液所見:赤血球 362万、Hb 11.0 g/dL、Ht 35%、白血球 6,800、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 3.2 g/dL、AST 20 U/L、ALT 12 U/L、LD 198 U/L (基準 120-245)、ALP 288 U/L (基準 115~359)、CK 28 U/L (基準 30-140)、尿素窒素 32 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、eGFR 37 ml/分/1.73m²、尿酸 8.2 mg/dL、血糖 118 mg/dL、HbA1c 6.6% (基準 4.6-6.2)、総コレステロール 142mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 104mEq/L。CRP 0.8mg/dL。12誘導心電圏でⅡ、Ⅲ、aVF、V4-6誘導のST低下を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比56%。

虚血性心疾患が疑われ、冠動脈造影検査の実施を検討することとなった。


この患者の腎機能をより正確に把握するために有用な指標はどれか。

a. 尿中NAG値

b. 尿蛋白/クレアチニン比

c. 尿中β₂-マイクログロブリン値

d. 血液尿素窒素/血清クレアチニン比

e. 血清シスタチンCによるGFR推算値

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腎機能は中等度の障害であり、冠動脈造影検査を行うことになった。

この患者で造影剤使用前に中止を検討すべき内服薬はどれか。

a. 利尿薬

b. NSAID

c. 尿酸合成阻害薬

d. αグルコシダーゼ阻害薬

e. アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬


冠動脈造影検査前に行うべき対応はどれか。

a. 血液透析

b. スタチン内服

c. 生理食塩液点滴静注

d. ドーパミン点滴静注

e. ヒト心房利尿ペプチド〈hANP〉点滴静注

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システム設計・解説記入:米澤 昌紘(X : @leknyan
(医師/日本橋内科クリニック院長)