問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
75歳の女性。左変形性膝関節症に対して、人工膝関節全置換術を受けた。翌朝、夜勤看護師から発熱していると報告された。
意識は清明。体温 37.4 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 96/50 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 98%(room air)。
血液所見:赤血球 360万、Hb 10.1 g/dL、Ht 34%、白血球 9,800(桿状核好中球 5%、分葉核好中球 60%、好酸球 3%、好塩基球 2%、単球 3%、リンパ球 27%)、血小板 20万。血液生化学所見:総蛋白 8.0 g/dL、アルブミン 3.4 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、直接ビリルビン0.3mg/dL、AST 37 U/L、ALT 18 U/L、LD 208 U/L(基準 120~245)、ALP 320 U/L(基準 115~359)、γ-GT 9U/L(基準 8~50)、CK 350 U/L(基準30~140)、尿素窒素 28 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、血糖 120 mg/dL。CRP 8.7 mg/dL。創部に異常を認めない。
今後の対応として適切でないのはどれか。
a. 離床
b. クーリング
c. 解熱剤投与
d. 広域抗菌薬投与
e. リハビリテーション開始
手術の侵襲による生理的発熱と思われる。抗生剤は必要なし。