問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
11か月の男児。今朝、血便様の便があったため母親に連れられて来院した。それまで下痢や嘔吐はなく、ずっと機嫌はよい。食欲はあり水分摂取も良好である。昨日、初めてブドウ果汁入りジュースをたくさん飲んだとのことである 。浣腸を行い、便性を観察したところ赤紫色の軟便であった。
身長 75.1 cm、体重 9 kg。体温 37.0 ℃。脈拍 108/分、整。SpO₂ 98% (room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。便潜血検査は陰性。腹部超音波検査で異常を認めない。
患者の家族への説明として正しいのはどれか。
a. 「抗菌薬を処方します」
b. 「生理食塩液の点滴をします」
c. 「圧をかけた浣腸による整復が必要です」
d. 「血液検査で貧血の有無を確認しましょう」
e. 「ブドウ果汁入りジュースをやめて、明日の便を観察してください」
ぶどうジュースにより便が着色された症例。