問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
32歳の女性。発熱と下腿浮腫を主訴に来院した。半年前から日光過敏を、1か月前から下腿浮腫を自覚していた。2週前から37℃台の発熱を認めるようになり、下腿浮腫も増悪したため受診した。
体温 37.2 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 118/74 mmHg。呼吸数 16/分。頬部に紅斑を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。両側下腿浮腫を認める。
尿所見:蛋白 4+、潜血 3+、沈液に赤血球 10-20/HPF、白血球 10-20/HPF、赤血球円柱と顆粒円柱とを認める。尿蛋白 4.5 g/日。血液所見:赤血球 402万、Hb 12.0 g/dL、Ht 38%、白血球 3,100 (桿状核好中球 25%、分葉核好中球 47%、好酸球 1%、好塩基球 0%、単球 9%、リンパ球 18%)、血小板 15万。血液生化学所見:総蛋白 4.8 g/dL、アルブミン 2.1 g/dL、尿素窒素 31 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、トリグリセリド 148 mg/dL、LDLコレステロール 208 mg/dL。免疫血清学所見: CRP 0.2 mg/dL、抗核抗体 1280倍 (基準 20以下)、CH₅₀ 18 U/mL (基準 30~40)、C3 35 mg/dL (基準 52~112)、C4 6 mg/dL (基準 16~51)。腎生検のPAS染色標本及び蛍光抗体C1q染色標本を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a. ループス腎炎
b. 急性糸球体腎炎
c. 顕微鏡的多発血管炎
d. 膜性増殖性糸球体腎炎
e. 微小変化型ネフローゼ症候群