問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
53歳の男性。術後に意識障害を呈した。10年前に糖尿病と診断され、経口血糖降下薬を内服していた。食道癌に対する外科手術を受け、術後はインスリンの経静脈投与を開始された。術後経過は安定していたが、術後2日目に意識障害が出現し、簡易血糖測定器で血糖値32mg/dLを示した。主治医からのインスリン投与指示を確認すると、維持輸液用の点滴バッグ内に速効型インスリン10単位を混注することとなっていたが、実際には担当した病棟医が100単位を混注していた。主治医が50%ブドウ糖の静注投与を行い、患者の意識は回復し、血糖値も100mg/dLへ上昇した。
主治医から担当した病棟医への言葉として適切なのはどれか。
a. 「リスクマネジャーヘの報告が必要です」
b. 「あなたの起こしたことなので、私には関係がありません」
c. 「家族に余計な心配をかけたくないので、連絡は控えておきましょう」
d. 「診療録には、当初の指示どおり10単位混注したと記載してください」
e. 「患者さんに聞かれたら意識障害の原因は不明と答えることにしましょう」