42歳の男性。職場の健康診断で異常を指摘されて来院した。

現病歴:20歳代の頃は体重 68 kg程度であったが、32歳での結婚を機に徐々に増加し、特にこの3年で 10 kg増加した。現在の体重は過去最大である。

既往歴:特記すべきことはない。

生活歴:喫煙歴はない。飲酒はビール 500 mL/日。仕事は事務作業で通勤以外の運動習慣はない。

家族歴: 父親が糖尿病、高血圧症、脳梗塞。

現症: 意識は清明。身長 173 cm、体重 82 kg、腹囲 98 cm。脈拍 68 /分。血圧 146/92 mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・牌は触知せず、皮膚線条は認めない。四肢に浮腫を認めない。皮膚の非薄化を認めない。

検査所見:尿所見:蛋白(₋)、糖(₋)、ケトン体(₋)。血液所見:赤血球 465万、Hb 14.6 g/dL、Ht 46%、白血球 6,800、血小板 28万。血液生化学所見:AST 38 U/L、ALT 78 U/L、γ-GT 52 U/L(基準 8~50)、尿素窒素 19 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、尿酸 6.8 mg/dL、空腹時血糖 116 mg/dL、HbA1c 6.2%(基準 4.66.2)、総コレステロール 264 mg/dL、トリグリセリド 212 mg/dL、HDLコレステロール 34 mg/dL、Na 141 mEq/L、K 3.5 mEq/L、Cl 98 mEq/L。


この患者について現時点で判断できる異常はどれか。3つ選べ。

a. 糖尿病

b. 高血圧症

c. 高尿酸血症

d. 脂質異常症

e. メタボリックシンドローム

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この患者に対して生活習慣の改善の一環として食事指導を行うことにした。正しい内容はどれか。

ただし、この患者の消費エネルギーは約 2,400 kcal/日であると仮定し、今後、3か月で約 3~4 kgの減量を目指すこととする 。

a. 総エネルギー量を 2,100 kcal/日とする。

b. 炭水化物を総エネルギー量の 30 %とする。

c. 蛋白質を 200 g/日とする。

d. 脂質を150 g/日とする。

e. 食塩を 10 g/日とする。

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この患者で増加しているのはどれか。

a. LDLのみ

b. HDLのみ

c. VLDLのみ

d. LDLとHDL

e. LDLとVLDL

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)