問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
2か月の女児。けいれん重積のため救急車で搬入された。母親によると夜間寝ていてけいれんが始まった。救急車内で心肺停止となり心肺蘇生を試みたが、来院時は心拍の再開がなく、対光反射は消失していた。蘇生を継続したが心拍の再開がなく死亡が確認された。母子手帳によると妊娠分娩歴に異常はないが、1か月健診は受診していない。
顔面や体幹に新旧混在した皮下出血の散在を認めた。死後に行った頭部CTでは両側に硬膜下血腫とびまん性脳浮腫を認めた。全身エックス線写真では左大腿骨骨折、右上腕骨骨折を認めた。母親は外傷に心当たりはないという。
死亡に至った原因として最も考えられるのはどれか。
a. 虐待
b. てんかん
c. 不慮の事故
d. 熱性けいれん
e. 細菌性髄膜炎
新旧混在した外傷を多数認める。虐待であることは明らかである。