問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
異常呼吸あるいは息切れを主訴とする患者の所見と原因の組合せについて正しいのはどれか。
a. Coarse crackles ― 喘息
b. 胸部打診で濁音 ― 気胸
c. 頸静脈の怒張 ― 右心不全
d. SpO2 95%(room air) ― 呼吸不全
e. Cheyne-Stokes呼吸 ― 上気道閉塞
a. Coarse crackles ― 喘息
Coarse cracklesは肺の水分貯留や気道の分泌物が多いときに聞かれるものであり、心不全や肺炎でよく見られる。喘息ではwheezingが聞かれる。従って、この選択肢は誤りである。
b. 胸部打診で濁音 ― 気胸
気胸では胸腔内に空気が貯留するため、胸部打診では過共鳴音が聞かれる。濁音は胸水貯留や肺炎で見られる。従って、この選択肢は誤りである。
c. 頸静脈の怒張 ― 右心不全
右心不全では静脈還流の障害により、頸静脈の怒張が見られる。従って、この選択肢は正しい。
d. SpO2 95%(room air) ― 呼吸不全
SpO2が95%であれば軽度の低酸素血症が疑われるが、呼吸不全と断定することはできない。従って、この選択肢は誤りである。
e. Cheyne-Stokes呼吸 ― 上気道閉塞
Cheyne-Stokes呼吸は脳幹の障害や心不全などによる呼吸調節異常で見られる呼吸パターンであり、上気道閉塞によるものではない。従って、この選択肢は誤りである。