59歳の女性。歩行障害を主訴に来院した。半年前から立ちくらみとともに歩行時にふらついて、よく壁にぶつかるようになった。同時期から頑固な便秘を自覚し、尿失禁もみられるようになった。歩行障害は徐々に悪化し、1週間前には転倒した。最近では箸も使いにくくなった。既往歴、家族歴に特記すべきことはない。

仰臥位での血圧は110/70mmHg、脈拍60/分であり、起立2分後の血圧は80/60mmHg、脈拍62/分であった。心音と呼吸音に異常を認めない。胸腹部には異常を認めない。神経診察では構音障害を認める。上肢では鼻指鼻試験で両側の測定障害がみられ、回内回外試験では変換運動障害も認める。四肢には両側とも同程度の筋強剛を認めるが振戦はみられない。歩行時には体幹動揺を認める。

考えられる疾患はどれか。

a. Parkinson病

b. 多系統萎縮症

c. Huntington病

d. 筋萎縮性側索硬化症

e. 大脳皮質基底核変性症

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)