48歳の女性。左側腹部痛のため救急車で搬入された。

現病歴:3日前に自宅で転倒した際、左胸部を強打した。自宅近くの診療所で左下位肋骨骨折と診断され、バストバンドによる固定後に帰宅した。今朝、犬の散歩中、急に左側腹部痛が出現し、倦怠感も伴うため夫が救急車を要請した。

既往歴:35歳時に急性虫垂炎で手術。

生活歴:夫、中学生の長男と3人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。

家族歴:母親が糖尿病で加療中である。

現 症:意識は清明。身長160cm、体重53kg。体温37.0℃。心拍数104/分、整。血圧110/62mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜に異常を認めない。心音と呼吸音に異常を認めない。左側腹部に圧痛と筋性防御を認めた。腸雑音に異常を認めない。歩行に異常を認めない。

検査所見:尿所見:蛋白(−)、糖(−)、潜血(−)、沈渣に赤血球を認めない。血液所見:赤血球385万、Hb 11.4g/dL、Ht 34%、白血球12,600、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.2g/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、直接ビリルビン0.3mg/dL、AST 32U/L、ALT 20U/L、LD 230U/L(基準120~245)、ALP 103U/L(基準38~113)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸5.4mg/dL、血糖88mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 0.1mg/dL。胸部エックス線写真で胸水貯留を認めない。心電図は心拍数104/分の洞調律でST-T変化を認めない。

腹部超音波検査で左上腹部に液体貯留所見を認めた。


治療方針の確定に最も有用な検査はどれか。

a. 腹腔穿刺

b. 腹部MRI

c. 腹部造影CT

d. FDG-PET

e. 99mTcシンチグラフィ

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この時点で追加する検査として優先度が低いのはどれか。

a. 血液型

b. 血液培養

c. 血中乳酸

d. 交差適合試験

e. プロトロンビン時間

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入院し、経過をみた。翌日のバイタルサイン:体温37.2℃。脈拍128/分、整。血圧98/50mmHg。呼吸数20/分。

この時点で適切な対応はどれか。2つ選べ。

a. 血球数算定

b. 脾臓摘出術

c. 腹部超音波検査

d. 上部消化管内視鏡検査

e. 大動脈内バルーンパンピング〈IABP〉

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)