50 歳の女性。発熱と強い動悸のため救急車で搬入された。

現病歴:6 日前から咽頭痛と軽度の咳嗽が出現し、自宅近くの診療所で総合感冒薬の処方を受けた。 3 日前から発熱と前頸部痛が出現し、今朝から強い動悸も自覚したため娘が救急車を要請した。

既往歴:高血圧症でカルシウム拮抗薬を内服している。

生活歴:夫、大学生の娘と 3 人暮らし。喫煙は 20 歳から 30 歳まで 10 本/日。飲酒歴はない。

家族歴:父が高血圧症。

現症:意識は清明。身長 158 cm、体重 52 kg。体温 37.8 ℃。心拍数 118/分、整。血圧 134/74 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 98 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内と咽頭とに異常を認めない。甲状腺はびまん性に腫大しており、左葉に圧痛を認める。頸部リンパ節の腫大や頸静脈怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に浮腫を認めない。

検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。赤沈 62 mm/ 1 時間。血液所見:赤血球 362 万、Hb 11.0 g/dL、Ht 32 %、白血球 6,600、血小板 18 万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、総ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 44 U/L、ALT 49 U/L、LD 207 U/L(基 準 120~245)、ALP 262 U/L(基準 38~113)、尿素窒素 14 mg/dL、 クレアチニン 0.8 mg/dL、血糖 98 mg/dL、Na 141 mEq/L、K 3.6 mEq/L、Cl 104 mEq/L、Ca 8.8 mg/dL、TSH 0.08 μU/mL(基準 0.2~4.0)、FT3 9.82 pg/mL(基準 2.3~4.3)、FT4 3.92 ng/dL(基準 0.8~2.2)。免疫血清学所見:CRP 9.2 mg/dL、抗 TSH 受容体抗体陰性。胸部エックス線写真で心拡大や肺血管影の増強はなく、胸水貯留を認めない。心電図は洞性頻脈で ST-T 変化を認めない。


この患者の病態に関連するもので適切なのはどれか。2 つ選べ。

a. 飲酒歴

b. 喫煙歴

c. 先行する上気道炎症状

d. 圧痛のある甲状腺腫大

e. カルシウム拮抗薬の内服歴

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診断に最も有用な検査はどれか。

a. 頸部 CT

b. 心エコー検査

c. Holter 心電図検査

d. 甲状腺超音波検査

e. 甲状腺穿刺細胞診

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治療として適切なのはどれか。3 つ選べ。

a. 抗菌薬

b. NSAID

c. β 遮断薬

d. 抗甲状腺薬

e. 副腎皮質ステロイド

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)