52 歳の女性。意識障害のため救急車で搬入された。

現病歴:5 日前から 38 ℃を超える発熱と悪寒戦慄を訴え、市販のアセトアミノフェンを内服していた。本日夕食中に急に頭痛とふらつき感を訴え、嘔吐した。その後いびきをかいて眠りだし、呼びかけに応答しなくなったため、家族が救急車を要請した。

既往歴:アトピー性皮膚炎で副腎皮質ステロイド外用薬を処方されている。健診で異常を指摘されたことはない。

生活歴:夫と 2 人の息子との 4 人暮らし。仕事は事務職。喫煙歴はない。飲酒はビール 350 mL/日。

家族歴:両親とも胃癌で死亡。

現症:意識レベルは JCSⅢ-200。身長 158 cm、体重 60 kg。体温 37.8 ℃。心拍数 120/分、整。血圧 200/104 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 100 %(リザーバー付マスク 10 L/分 酸素投与下)。救急隊により経鼻エアウェイが挿入されている。瞳孔径は右 5.0 mm、左 3.0 mm。対光反射は両側で消失している。心尖部を最強点とする Levine 3/6 の収縮期逆流性雑音を聴取する。上気道にいびき音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。両側足趾先端に点状出血斑を合計 3 ヶ所認める。頸部周囲と両肘内側に鱗屑、紅斑および苔癬化を認め、一部浸出液がみられる。

検査所見:尿所見:淡黄褐色透明、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 450 万、Hb 13.3 g/dL、Ht 42 %、白血球 11,200(桿状核好中球 13 %、分葉核好中球 53 %、好酸球 8 %、好塩基球 1 %、単球 3 %、リンパ球 23 %)、血小板 32万、PT-INR 1.2(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 6.9 g/dL、アルブミン4.2 g/dL、総ビリルビン 0.6 mg/dL、直接ビリルビン 0.1 mg/dL、AST 30 U/L、ALT 13 U/L、LD 220 U/L(基準 120~245)、ALP 83 U/L(基準 38~113)、γ-GT 13 U/L(基準 8 ~50)、尿素窒素 13 mg/dL、クレアチニン 0.47 mg/dL、血糖 204 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 3.5 mEq/L、Cl 105 mEq/L。CRP 10 mg/dL。心電図は洞性頻脈で ST-T 変化を認めない。胸部エックス線写真で心胸郭比 57 %(臥位で撮影)。搬入直後の頭部単純 CTを別に示す。


直ちに行うべき処置はどれか。

a. 胃管挿入

b. 気管挿管

c. 中心静脈カテーテル留置

d. ニトログリセリン投与

e. 腰椎穿刺

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血液培養 2 セットを採取した後に集中治療室に入室し、抗菌薬投与を開始した。 血液培養は 2 セットとも陽性となり、入室 3 日目にStaphylococcus aureus と同定された。

この結果を受けて実施すべきなのはどれか。 2 つ選べ。

a. 尿培養

b. 心エコー検査

c. 末梢神経伝導検査

d. 血中エンドトキシン測定

e. 血液培養再採取による陰性化の確認

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全身状態が改善し開頭手術が可能と判断された。患者の血液型検査では、オモテ試験は抗 A 血清、抗 B 血清ともに凝集あり、ウラ試験は A 血球、B 血球ともに凝集なし、抗 Rho(D)血清に凝集を認めた。準備する赤血球濃厚液の血液型と患者の 血液との交差適合試験の結果を示す。

最も輸血に適した赤血球濃厚液はどれか。

a.

b.

c.

d.

e.

問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)