68 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。家族によると、20 年前から糖尿病で内服加療中であり、最近は飲酒量が多かった。持参した糖尿病診療歴を記録したノートによると、血糖降下薬としてビグアナイド薬および DPP-4 阻害薬を内服しており、最近の血液検査でクレアチニン 1.2 mg/dL、HbA1c 6.8 % であった。

意識レベルは JCSⅡ-20。身長 168 cm、体重 58 kg。体温 36.1 ℃。心拍数88/分、整。血圧 86/54 mmHg。呼吸数 28/分、SpO₂ 98 %(room air)。皮膚は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。

尿所見:蛋白 2 +、糖+、ケトン体(-)。血液生化学所見:総ビリルビン1.0 mg/dL、AST 54 U/L、ALT 46 U/L、γ-GT 168 U/L(基準 8 ~50)、尿素窒素38 mg/dL、クレアチニン 2.0 mg/dL、血糖 128 mg/dL、HbA1c 6.6 %(基準 4.6~6.2)、Na 138 mEq/L、K 3.8 mEq/L、Cl 94 mEq/L。

この患者で認められるのはどれか。

a. 食後の低血糖

b. 呼気のアセトン臭

c. 呼吸性アシドーシス

d. 代謝性アルカローシス

e. アニオンギャップの増加

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)