75 歳の男性。易疲労感を主訴に来院した。 5 年前に再生不良性貧血と診断され免疫抑制療法を開始したが改善を認めず、 4 年前からは 2 週間おきに赤血球輸血を継続して受けている。

身長 165 cm、体重 58 kg。体温 36.3 ℃。脈拍 100/分、整。眼瞼結膜は軽度貧血様で、眼球結膜に黄染を認めない。胸骨右縁第 2 肋間を最強点とする Levine 2/6 の収縮期雑音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮膚は暗褐色。

血液所見:赤血球 200 万、Hb 5.8 g/dL、Ht 19 %、網赤血球 0.2 %、白血球 2,200(分葉核好中球 8 %、好酸球 2 %、好塩基球 1 %、リンパ球89 %)、血小板 4.0 万。 血液生化学所見: 総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン2.8 g/dL、総ビリルビン 1.1 mg/dL、直接ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 129 U/L、ALT 12 U/L、LD 360 U/L(基準 120~245)、尿素窒素 19 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、 空腹時血糖 90 mg/dL、Fe 250 μg/dL、フェリチン2,500 ng/mL(基準 20~120)。CRP 0.2 mg/dL。腹部単純 CT で肝実質 CT 値の上昇を認めた。

この患者への対応で正しいのはどれか。

a. 瀉 血

b. 肝移植

c. 造血幹細胞移植

d. 鉄キレート剤の投与

e. エリスロポエチン製剤の投与

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)