57 歳の男性。定期受診で来院した。30 歳時に 2 型糖尿病および高血圧症と診断され、自宅近くの総合病院に通院している。腎機能が徐々に悪化したため、1 か月前に妻から生体腎移植を受けた。インスリン注射、降圧薬と複数の免疫抑制薬が処方されている。

身長 175 cm、体重 65 kg。脈拍 72/分、整。血圧 126/70 mmHg。頸部と胸部とに異常を認めない。腹部に手術痕を認める。両側アキレス腱反射は消失している。

尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 350 万、Hb 10.0 g/dL、Ht 30 %、白血球 6,200、血小板 35 万。血液生化学所見:尿素窒素 25 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、eGFR 89.8 mL/分/1.73 m²、HbA1c 6.9 %(基準4.6~6.2)、Na 143 mEq/L、K 4.8 mEq/L、Cl 105 mEq/L。

この患者への説明で適切なのはどれか。

a. 妻の定期受診は不要である。

b. 海外旅行に行くことはできない。

c. インフルエンザワクチンは接種できない。

d. 定期的な悪性腫瘍スクリーニングが必須である。

e. 移植を受けた患者の半数で移植 10 年後に再び透析が必要になる。

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)