27 歳の女性。胸痛と呼吸困難を主訴に来院した。

現病歴:昨日から右前胸部痛を自覚した。息を吸うと痛みが悪化するため、深呼吸ができなかった。本日は胸痛の悪化に加え、労作時の呼吸困難も出現したため救急外来を受診した。

既往歴:3 か月前から経口避妊薬を内服している。

生活歴:パートナーと 2 人暮らし。事務職。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。

家族歴:母方の祖父が癌(詳細不明)。母が糖尿病と高血圧症。

現症:意識は清明。身長 163 cm、体重 60 kg。体温 38.0 ℃。脈拍 120/分、整。血圧 112/64 mmHg。呼吸数 32/分。SpO2 88 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。心音はⅡ音の亢進を認める。呼吸音は crackles や wheezes はなく、胸膜摩擦音も聴取しないが、深呼吸ができていない。右下腿に浮腫を認める。

検査所見:血液所見: 赤血球 430 万、Hb 13.1 g/dL、Ht 38 %、 白血球 10,100(桿状核好中球 30 %、分葉核好中球 45 %、好酸球 1 %、好塩基球 1 %、単球 6 %、リンパ球 17 %)、 血小板 23 万。 血液生化学所見: 総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 12 U/L、LD 315 U/L(基準 120~245)。動脈血ガス分析(room air):pH 7.48、PaCO2 26 Torr、PaO2 52 Torr、HCO3 - 19.0 mEq/L。 心電図は洞性頻脈、Ⅰ誘導で深い S 波、Ⅲ誘導で Q 波と T 波の陰転化を認める。


この患者の肺胞気-動脈血酸素分圧較差〈A-aDO2〉を求めよ。 なお、 大気圧760 Torr、37 ℃での飽和水蒸気圧 47 Torr、呼吸商 0.8 とする。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数第 1 位を四捨五入すること。

解答:〇〇 Torr


診断に有用な検査はどれか。

a. KL-6

b. D ダイマー

c. フェリチン

d. β-D グルカン

e. プロカルシトニン

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胸部造影 CTを別に示す。最も適切な治療薬はどれか。

a. ヘパリン

b. アスピリン

c. 血管拡張薬

d. 殺細胞性抗癌薬

e. 副腎皮質ステロイド

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)