53 歳の女性( 2 妊 1 産)。51 歳で閉経。不正性器出血を主訴に来院した。約 3 か月前から少量の不正性器出血を自覚していた。 2 週間前から出血が増量したため受診した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。身長 161 cm、体重 65 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 140/78 mmHg。内診で子宮はやや腫大するも可動性は良好で、付属器は触知しない。血液所見:赤血球 320 万、Hb 9.9 g/dL、Ht31 %、白血球 6,300、血小板 21 万、PT-INR 1.0(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 6.9 g/dL、アルブミン 3.7 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、直接ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 18 U/L、ALT 16 U/L、LD 186 U/L(基準 124~222)、γ-GT 32 U/L(基準 9 ~32)、尿素窒素 14 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、CEA 3.2 ng/mL(基準 5 以下)、CA19-9 28 U/mL(基準 37 以下)、CA125 52 U/mL(基準35 以下)。CRP 1.0 mg/dL。子宮内膜細胞診は陽性。子宮内膜組織診で類内膜癌が検出された。頸部~骨盤部造影 CT で明らかなリンパ節腫大および遠隔転移を認めない。骨盤部単純 MRI の T2 強調矢状断像を別に示す。
この患者に行う治療はどれか。
a. 手術療法
b. 抗菌薬投与
c. 動注化学療法
d. 化学放射線療法
e. 密封小線源治療
この患者に行う治療は「a. 手術療法」である。
53歳の女性が閉経後に不正性器出血を主訴に来院し、子宮内膜細胞診で陽性、子宮内膜組織診で類内膜癌が検出されています。頸部から骨盤部の造影CTで明らかなリンパ節腫大および遠隔転移が認められないことから、病変が局所に限局していると考えられます。このような場合、標準的な治療は手術療法であり、子宮と両側付属器の全摘出が行われます。また、場合によっては骨盤リンパ節や傍大動脈リンパ節の摘出も考慮されます。