問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. 運動療法
b. 減量指導
c. ギプス固定
d. 装具の作成
e. グルココルチコイド内服
この72歳女性は、右膝関節の痛みを訴えており、特に歩行開始時や階段昇降時に痛みが強くなることから、**変形性膝関節症(膝の骨関節症)**が疑われます。膝の内側に圧痛や軽度の腫脹が見られること、またエックス線所見があることからもこの診断が支持されます。
変形性膝関節症の保存療法で適切なのは以下の3つです:
1. **a. 運動療法**:
- 筋力を維持・強化するための運動療法は、膝の痛みの軽減と関節の安定性向上に効果的です。特に大腿四頭筋の強化が重要です。
2. **b. 減量指導**:
- 膝への負担を軽減するために、体重を減らすことが重要です。体重の減少は、膝関節にかかる負荷を減らし、症状を緩和します。
3. **d. 装具の作成**:
- 装具(膝サポーターやインソールなど)は、関節の安定性を高め、膝への負担を減らすことができます。特に内側に負担がかかる場合は、外側を高くするインソールなどが効果的です。
他の選択肢について:
- **c. ギプス固定**:変形性膝関節症には通常、ギプス固定は推奨されません。固定よりも関節の可動性を維持しながら負担を軽減する方法が優先されます。
- **e. グルココルチコイド内服**:ステロイドの内服は、長期使用で副作用が多く、変形性膝関節症の保存療法には適していません。局所的な注射療法は場合によって行われることがありますが、内服は一般的ではありません。
したがって、保存療法で適切なのは **a. 運動療法**、**b. 減量指導**、**d. 装具の作成** です。