63歳の男性。頭痛と複視とを主訴に来院した。半年前に下腿浮腫、筋力低下、倦怠感および皮膚乾燥があり自宅近くの診療所を受診した。TSH 3.7μU/mL(基準0.4〜4.0)、FT4 0.3ng/dL(基準0.8〜1.8)の検査結果から甲状腺ホルモン補充療法(レボチロキシン50μg/日)が開始された。2か月前から食欲が低下し体重も減少してきていた。今朝、突然に右前額部痛、嘔吐および複視が出現したため救急外来を受診した。

意識は清明。身長169cm、体重69kg(2か月前は75kg)。体温36.8℃。脈拍80/分、整。血圧154/92mmHg。右眼瞼下垂と右眼球外転偏位とを認める。四肢麻痺はない。頭部単純MRIのT1強調像の矢状断像と冠状断像を別に示す。

基礎疾患として最も考えられるのはどれか。

a. 髄膜腫

b. 動静脈奇形

c. 下垂体腫瘍

d. 内頸動脈瘤

e. 原発性甲状腺機能低下症

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)