62歳の女性。胃病変の精査と内視鏡治療とを希望して来院した。

現病歴:3年前に胸やけがあり、自宅近くの医療機関で上部消化管内視鏡検査を施行され、逆流性食道炎と診断された。その後、近くの診療所でプロトンポンプ阻害薬を投与されていた。1か月前から再度、食後や就寝後に胸やけが生じるようになったため、同じ医療機関で上部消化管内視鏡検査を受けたところ、逆流性食道炎は治っているが胃に異常があると言われた。胃病変が心配になりインターネットで検索した結果、早期の癌は内視鏡で治療できると記載があったため、胃病変の精査と内視鏡治療とを希望して受診した。

既往歴:5年前から高血圧症で治療中。

生活歴:喫煙歴と飲酒歴とはない。

家族歴:父親が糖尿病。

現症:意識は清明。身長156cm、体重48kg。体温36.2℃。脈拍68/分、整。血圧114/76mmHg。呼吸数14/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認めるが腫瘤は触知しない。

検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球400万、Hb 12.1g/dL、Ht 40%、白血球8,200、血小板30万。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。上部消化管内視鏡像を別に示す。


考えられる診断はどれか。

a. 胃GIST

b. 1型胃癌

c. 0-IIa型胃癌

d. 胃底腺ポリープ

e. 胃MALTリンパ腫

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別に示す生検組織のH-E染色標本のうち、この病変と考えられるのはどれか。

a. ①

b. ②

c. ③

d. ④

e. ⑤


胃病変への対応として適切なのはどれか。

a. 胃切除術

b. 経過観察

c. 放射線療法

d. 内視鏡的粘膜下層剥離術

e. 内視鏡的ポリープ切除術

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)