A さん(60 歳、男性、会社員)は息子2人が独立して遠方で暮らしており、2年前に妻と死別して以来、1人暮らし。直腸癌と診断され、腹会陰式直腸切断術、人工肛門造設術を行うと外来で説明を受けた。A さんは看護師に対して「人工肛門を作ると聞いています。便が出てくる場所がどこなのかよくわからなくてイメージできない」と話した。
人体の前面と背面を図に示す。
A さんの人工肛門が造設される位置はどれか。
1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
人工肛門(ストーマ)は、直腸癌の手術で腹会陰式直腸切断術を行う場合、一般的に大腸の一部を腹壁に開口して造設されます。具体的には、人工肛門は腹部の左下部(通常は左下腹部)に造設されることが多いです。
A さんの手術は予定通り終了した。
術後1日、会陰部から挿入されたドレーンからは、淡血性の排液が 10 mL/時で流出していた。バイタルサインが安定していることを確認した後、Fowler<ファウラー>位にして 15 分が経過したところで、A さんからナースコールがあった。看護師が訪室すると「おしりが濡れているような気がする」と言う。確認すると、会陰部のガーゼに淡血性の浸出液を認めた。
A さんへの対応で最も優先度が高いのはどれか。
1. Fowler<ファウラー>位から仰臥位にする。
2. ドレーンの屈曲を確認する。
3. 排液バッグを交換する。
4. 会陰部を消毒する。
ドレーンの屈曲や閉塞があると、排液が正常に行われず、浸出液が漏れる原因となります。最初にこれを確認し、問題があれば修正することが最も重要です。
術後 10 日、A さんは退院日が決まり、「落ち着いたら仕事に復帰します。1人暮らしなので、自分で人工肛門を管理しないといけないですね」と述べた。A さんの退院に際し、人工肛門の管理に関する看護師の指導で正しいのはどれか。
1. 「面板は1日2回交換してください」
2. 「装具の交換は滅菌手袋を使用してください」
3. 「面板除去部の皮膚はお湯で洗浄してください」
4. 「定期的に人工肛門の大きさを確認してください」
人工肛門の大きさは時間とともに変化することがあるため、定期的に大きさを確認し、装具が適切にフィットするように調整することが重要です。