A さん(50 歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全のため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法<CAPD>を導入することになり入院した。A さんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。
A さんに対する説明として正しいのはどれか。
1. 「食事療法が必要です」
2. 「通院は週に2、3回必要です」
3. 「宿泊を伴う旅行はできません」
4. 「カテーテル挿入術後の翌日から入浴できます」
慢性腎不全の治療には、透析治療に加えて適切な食事療法が重要です。特に塩分やカリウム、リンの摂取を制限することが必要です。
A さんはできるだけ早い職場復帰を望んでおり、入院中は CAPD の操作に熱心に取り組んでいた。退院後、CAPD を1日4回(0時、6時、12 時、18 時)行うことになった。
A さんが会社の昼休みに CAPD を行うために必要な設備はどれか。2つ選べ。
1. 透析液を保管する冷蔵庫
2. 透析液を温める電子レンジ
3. 透析液の交換時に使用する個室
4. CAPD の物品を保管する専用棚
5. 透析液の貯留中に使用するベッド
3. 透析液の交換時に使用する個室:
CAPDの透析液交換は清潔な環境で行う必要があります。個室は感染予防のために重要であり、プライバシーも確保されます。
4. CAPDの物品を保管する専用棚:
透析液や関連物品を清潔に保管するための専用棚があると便利です。これにより、必要な物品を整理整頓し、交換のたびに迅速にアクセスできるようになります。
A さんは「主治医から CAPD の合併症に腹膜炎があると聞きました。腹膜炎に早く気付くにはどうすればよいですか」と看護師に質問した。
A さんに指導する観察項目はどれか。2つ選べ。
1. 腹 痛
2. 体重の増加
3. 腹部の張り
4. 下肢のむくみ
5. 透析液の排液のにごり
1. 腹痛:
腹膜炎の初期症状として腹痛が挙げられます。特に、透析液交換時や排液後に腹痛がある場合は、腹膜炎の可能性が高いです。
5. 透析液の排液のにごり:
透析液の排液が濁ることも腹膜炎の兆候の一つです。正常な排液は透明であるべきで、濁りや異常な色が見られる場合は、即座に医療機関に連絡する必要があります。
これらの観察項目に注意することで、腹膜炎の早期発見が可能になり、迅速な対応が取れるようになります。