現在、混合栄養で体重は 3,700 g である。体温 37.2 ℃、呼吸数 36/分、心拍数108/分、整、血圧 78/44 mmHg。眼球結膜に黄染を認める。血液検査結果:Hb 12.6 g/dL、白血球 7,800/μL、血小板 21 万/μL、プロトロンビン時間<PT>88 %、総ビリルビン 11.3 mg/dL、直接ビリルビン 9.5 mg/dL、AST 96U/L、ALT 126 U/L。紹介先の病院で腹部超音波検査を実施した結果、A ちゃんは胆道閉鎖症の疑いがあり入院した。
A ちゃんの便として考えられるのはどれか。
1. 褐色便
2. 灰白色便
3. タール便
4. イチゴゼリー様便
胆道閉鎖症は、肝臓から腸へ胆汁が排泄されないために起こる疾患です。この状態では、胆汁が腸に到達しないため、便に胆汁の色素が含まれず、便が灰白色になります。Aちゃんの便の色が気になり、眼球結膜に黄染を認め、直接ビリルビンが高いことから、胆道閉鎖症の可能性が示唆されています。胆道閉鎖症の場合、便は灰白色になることが特徴的です。
A ちゃんは入院7日に術中胆道造影検査で胆道閉鎖症と確定診断された。手術は無事に終了した。術後は絶食となり、腹腔ドレーンが挿入され、持続的点滴静脈内注射が行われている。母親は疾患や治療について理解している。術後3日、付き添っていた母親は看護師に「A はおなかが空いて泣き止まないし、私はAを抱っこもできず、何もしてあげられません。つらいです」と涙を浮かべて話した。
看護師の母親への対応で、最も適切なのはどれか。
1. 話しかけやおしゃぶりの活用など母親ができることを伝える。
2. 早期発見だったので A ちゃんは早く退院できると説明する。
3. 心療内科の受診を勧める。
4. 患者家族会を紹介する。
母親に対して、今できることを具体的に伝えることで、母親の不安を軽減し、赤ちゃんとの絆を保つことができます。話しかけやおしゃぶりの活用は、赤ちゃんを落ち着かせる効果があり、母親が関わることで安心感を与えることができます。
術後5日、A ちゃんは経口摂取が可能になり順調に経過している。医師から母親に、胆汁の排泄を促すために利胆薬の内服が重要であると説明があり、散剤が処方された。母親から看護師に「赤ちゃんに粉の薬をどうやって飲ませたらよいのでしょうか」と質問があった。看護師は散剤を( )に混ぜて飲ませることを説明した。
( )に入るのはどれか。
1. 果 汁
2. 白 湯
3. 人工乳
4. はちみつ
白湯は安全で無味無臭のため、散剤を混ぜるのに適しています。赤ちゃんにとっても受け入れやすく、薬の効果を妨げません。