A さん(28 歳、女性、外国籍)は3年前に日本人の夫と結婚し来日した。簡単な日本語を話せたため、来日した半年後からコンビニエンスストアでアルバイトを始めた。最近になり、夫は仕事で帰りが遅くなることが多くなった。A さんが「お客さんが自分の悪口を言っている」と話したが、夫は気にしなかった。
その後、アルバイト先の上司から「A さんが奇声を発している」「ぶつぶつと独り言を言って歩き回っている」と夫に連絡があった。夫が病院に付添い精神科外来を受診し、統合失調症と診断されて入院となった。入院時、A さんの髪は乱れ、誰かに見張られている気がすると怯えていた。
入院当日に看護師が行う情報収集で最も優先するのはどれか。
1. 症状が日常生活に与える影響
2. アルバイト先の人間関係
3. 医療用語の理解力
4. 精神疾患の家族歴
入院後、担当看護師は毎日面会に来ている夫の表情が気になり声をかけた。夫は「先生から統合失調症には様々な症状があるとお聞きしました。入院して妻は落ちつきましたが、これからどう接していけばいいのか悩んでいます」と話した。担当看護師はチームカンファレンスで夫の様子を伝え、主治医の判断で、夫に家族心理教育への参加を促すことになった。
担当看護師が夫に家族心理教育を勧める声かけで適切なのはどれか。
1. 「A さんの症状と対応について学ぶことができます」
2. 「ご家族に参加して頂くことが退院の条件です」
3. 「家族同士の自助グループです」
4. 「匿名で参加できます」
入院後2か月が経過した。A さんは独り言を言うことはあったが、他の入院患者と口論になることはなかった。作業療法士から「A さんは手先が器用で、作業療法中は楽しそうに過ごしています」と情報を得た。退院に向けた担当看護師との面談で、A さんは「手芸が楽しかった」「家に1人でいると寂しい」と話した。
退院に向けてAさんに提案する社会資源として適切なのはどれか。
1. 共同生活援助<グループホーム>
2. 短期入所<ショートステイ>
3. 通訳のボランティア
4. 精神科デイケア