入院当日に看護師が行う情報収集で最も優先するのはどれか。
1. 症状が日常生活に与える影響
2. アルバイト先の人間関係
3. 医療用語の理解力
4. 精神疾患の家族歴
現在の症状がAさんの日常生活にどのように影響を及ぼしているかを把握することが最も重要です。Aさんが奇声を発したり独り言を言ったり、怯えている状態は、統合失調症の急性期の症状であり、これがどの程度彼女の日常生活やアルバイトに影響を与えているかを評価することで、適切な治療や支援計画を立てるための基礎情報となります。
入院後、担当看護師は毎日面会に来ている夫の表情が気になり声をかけた。夫は「先生から統合失調症には様々な症状があるとお聞きしました。入院して妻は落ちつきましたが、これからどう接していけばいいのか悩んでいます」と話した。担当看護師はチームカンファレンスで夫の様子を伝え、主治医の判断で、夫に家族心理教育への参加を促すことになった。
担当看護師が夫に家族心理教育を勧める声かけで適切なのはどれか。
1. 「A さんの症状と対応について学ぶことができます」
2. 「ご家族に参加して頂くことが退院の条件です」
3. 「家族同士の自助グループです」
4. 「匿名で参加できます」
家族心理教育の目的は、家族が患者の症状や対応方法を理解し、適切なサポートを提供できるようにすることです。夫がAさんにどのように接するべきか悩んでいる状況に対して、この声かけは具体的かつ直接的な助言を提供するものであり、夫にとって非常に有益です。
入院後2か月が経過した。A さんは独り言を言うことはあったが、他の入院患者と口論になることはなかった。作業療法士から「A さんは手先が器用で、作業療法中は楽しそうに過ごしています」と情報を得た。退院に向けた担当看護師との面談で、A さんは「手芸が楽しかった」「家に1人でいると寂しい」と話した。
退院に向けてAさんに提案する社会資源として適切なのはどれか。
1. 共同生活援助<グループホーム>
2. 短期入所<ショートステイ>
3. 通訳のボランティア
4. 精神科デイケア
精神科デイケアは、日中の活動を通じて社会復帰を支援するプログラムであり、Aさんの「手芸が楽しかった」や「家に1人でいると寂しい」といったニーズに応えることができます。デイケアでは、手芸などの作業療法や他の参加者との交流ができ、孤立感を減らし、社会復帰のステップとして適しています。