15 年前に慢性糸球体腎炎と診断され、徐々に腎機能低下が認められたので、2年前から慢性腎不全のため血液透析療法を週3回受けている。今回、弟から腎臓の提供の申し出があり、生体腎移植の目的で入院した。入院3日、A さんの生体腎移植手術は予定通り終了した。
A さんの手術直後に観察すべき項目で優先度が高いのはどれか。
1. 尿 量
2. 血糖値
3. 白血球数
4. シャント音
移植された腎臓が適切に機能しているかどうかを確認するために、尿量の観察は最も重要です。尿量の増減は新しい腎臓の機能を直接反映する指標となります。
A さんは術前からタクロリムスなど複数の免疫抑制薬を服用している。A さんは「移植したら免疫抑制薬を飲む必要があることは分かっているのですが、退院後は何に気を付ければよいですか」と看護師に質問した。
A さんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
1. 「犬は今まで通り室内で飼育できます」
2. 「グレープフルーツは摂取しないでください」
3. 「感染予防のため風疹のワクチン接種をしてください」
4. 「薬を飲み忘れたときは2回分をまとめて服用してください」
グレープフルーツはタクロリムスなどの免疫抑制薬の代謝に影響を与え、血中濃度を上昇させる可能性があります。これは薬の効果や副作用に影響を及ぼすため、グレープフルーツの摂取は避けるべきです。
A さんは順調に回復し、移植後の拒絶反応もなく退院することになった。A さんは「腎臓が悪くなってから気を付けないといけないことが多かったのですが、移植してこれまでの制約がなくなりますね」と話した。
A さんの退院後の生活で継続が必要なのはどれか。
1. 蛋白質の摂取制限
2. 週3回の通院
3. 水分の制限
4. 体重の管理
体重の管理は移植後も非常に重要です。体重の急激な増加は体液の過剰や腎機能の問題を示す可能性があり、移植腎の機能を評価するために体重管理は継続的に行う必要があります。