A さん(28 歳、女性、美容師)はゴルフが趣味である。同居しているパートナーと1週前にゴルフに行った後から、顔面の紅斑、微熱、全身倦怠感および手指の関節痛が現れた。病院を受診したところ、全身性エリテマトーデス<SLE>と診断され入院した。A さんは看護師に「これまで病気をしたことがなかったので、驚いています」と話した。
バイタルサイン:体温 37.4 ℃、呼吸数 18/分、脈拍 64/分、整、血圧 110/60 mmHg。
血液所見:赤血球 260 万/μL、Hb 9.0 g/dL、白血球 7,600/μL、血小板 18 万/μL、尿素窒素 16 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、CRP 0.7 mg/dL、直接Coombs<クームス>試験陽性。
尿所見:尿蛋白(-)、尿潜血(-)。
神経学的検査:異常所見なし。
12 誘導心電図:異常所見なし。
胸部エックス線写真:異常所見なし。
A さんに生じている可能性が高いのはどれか。
1. 心膜炎
2. 溶血性貧血
3. ループス腎炎
4. 中枢神経ループス
溶血性貧血はSLEに関連することがあります。Aさんの血液所見では、赤血球数が260万/μLと低く、Hbも9.0 g/dLと貧血を示しています。また、直接Coombs試験陽性は免疫性溶血性貧血を示唆します。したがって、溶血性貧血の可能性が高いです。
A さんはステロイドパルス療法の後、副腎皮質ステロイド薬の内服治療が開始された。入院3週ころから満月様顔貌がみられたため、外見の変化に気持ちが落ち込むようになった。
A さんへの対応で適切なのはどれか。
1. 気にする必要はないと励ます。
2. パートナーの面会を制限する。
3. 外見よりも病気の治療を優先すると説明する。
4. 薬の量が減れば満月様顔貌は軽減すると説明する。
ステロイド薬の副作用として満月様顔貌が現れることがありますが、薬の量が減れば徐々に軽減することが多いです。この情報を提供することで、Aさんに希望を持ってもらい、治療を続ける動機付けにもなります。
A さんは外来で副腎皮質ステロイド薬の内服治療を継続することになった。Aさんは「病気を悪化させないために退院後はどのような生活がよいでしょうか」と看護師に質問した。
A さんへの退院指導で適切なのはどれか。
1. 「すぐに復職できます」
2. 「避妊は必要ありません」
3. 「身体を冷やさないでください」
4. 「くもりなら屋外でゴルフができます」
SLEの患者は寒冷刺激で症状が悪化することがあるため、身体を冷やさないようにすることが大切です。