問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
47歳の男性。定期健康診断で高血圧症を指摘され産業医面談に訪れた。話をよく聞くと、2週前に右片麻痺と言語障害が出現したが、1時間後にはすべての症状が消失した。その後は症状がないためそのままにしていたという。このことは家族、会社には話していない。路線バスの運転手で、時々長距離ツアーバスの運転をしている。残業は月10時間程度である。
定期健康診断の結果は以下のとおりである。身長 170 cm、体重 71 kg。血圧 182/96 mmHg。血液所見:赤血球 490万、Hb 14.8 g/dL。血液生化学所見:AST 15 U/L、ALT 22 U/L、γ-GTP 32 U/L(基準 8~50)、空腹時血糖 132 mg/dL、総コレステロール 211 mg/dL、トリグリセリド 144 mg/dL、HDLコレステロール 40 mg/dL。心電図と胸部エックス線写真で異常を認めない。
最も適切な指示はどれか。
a. 「今すぐ専門医に連れて行ってもらってください」
b. 「時間があるときに医療機関を受診してください」
c. 「出勤して良いですが運転はしないでください」
d. 「今までどおり勤務を続けて大丈夫です」
e. 「自宅で休んでください」