問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
85歳の男性。舌の痛みと息切れとを主訴に来院した。半年前から舌の痛みがあり、2か月前からは労作時の息切れを自覚するようになった。食欲は減退し、時々悪心を感じることがあるが、食事は少しずつ摂取できている。下痢や便秘はない。75歳で胃癌のため胃全摘術を受けている。
意識は清明。身長162cm、体重54kg。体温36.2℃。脈拍80/分、整。血圧110/60mmHg。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は軽度貧血様である。舌は淡紅色で表面は滑らかである。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で正中に手術痕があり、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
この患者で疑うべきなのはどれか。
a. 腎不全
b. 低Ca血症
c. 鉄欠乏性貧血
d. 巨赤芽球性貧血
e. 微量元素欠乏症
胃全摘術後のビタミンB12欠乏の症例。