70歳の女性。発熱、咳嗽、喀痰および呼吸困難を主訴に来院した。

現病歴:3日前から咳嗽と喀痰とを自覚していた。その後、徐々に呼吸困難を感じるようになり、昨晩から発熱も認めたため、家族の運転する車で受診した。

既往歴:32歳時に虫垂炎。気管支喘息のため、5年前から時々吸入薬を使用している。

生活歴:長女夫婦と孫との4人暮らし。喫煙歴と飲酒歴はない。ADLは自立している。家事を分担しながら近所の児童館で読み聞かせのボランティアをしている。この1年間で特記すべき旅行歴はない。

現症:意識は清明。身長153cm、体重48kg。体温38.1℃。脈拍92/分、整。血圧118/62mmHg。呼吸数24/分。SpO2 93%(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めない。右側の下胸部でcoarse. cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認めない。

検査所見:血液所見:赤血球368 万、Hb. 11.9g/dL、Ht 36%、白血球9,800、血小板23万。血液生化学所見:尿素窒素22mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL。CRP 5.2mg/dL。

その後の経過:酸素投与を開始し、胸部エックス線撮影を行った。撮影室から車椅子で救急外来に戻ったところで突然意識レベルがJCSⅡ-30に低下した。橈骨動脈の脈拍は触知不能。すぐにベッドに移した。脈拍(頸動脈)124/分、整。


直ちに行うべきなのはどれか。

a. β遮断薬急速静注

b. ブドウ糖液急速輸液

c. 生理食塩液急速輸液

d. 重炭酸ナトリウム静注

e. 副腎皮質ステロイド静注

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その後の経過:適切な治療により状態は安定し、肺炎の診断で入院となった。喀痰のGram染色で好中球によるGram陽性双球菌の貪食像を認めたため、酸素投与に加えてペニシリン系抗菌薬の点滴静注が開始された。5日後、喀痰は減り、呼吸状態も改善して酸素も不要となったが、38℃台の発熱が再燃するとともに頻回の下痢が出現した。

まず行うべき検査はどれか。

a. 抗核抗体

b. 注腸造影

c. 腹部造影CT

d. 上部消化管内視鏡検査

e. 便中Clostridium difficile毒素

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