問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
25歳の女性。発熱と関節痛とを主訴に来院した。3週前から38℃台の発熱があった。自宅近くの診療所を受診しセフェム系抗菌薬を処方され服用したが、症状が改善しないため紹介されて受診した。
身長147cm、体重52kg。体温37.7℃。脈拍112/分、整。血圧120/70mmHg。頬部に紅斑を認める。胸部に異常を認めない。下腿に軽度の浮腫を認める。
尿所見:蛋白3+、潜血2+、沈渣に赤血球10~29個/1視野、白血球5~9 個/1視野、顆粒円柱1個/数視野、尿蛋白4.2g/日。血液所見:赤血球321万、Hb 9.0g/dL、Ht 28%、白血球3,000、血小板11万。血液生化学所見:総蛋白7.8g/dL、アルブミン2.2g/dL、IgG 2,100mg/dL(基準960~1,960)、IgA 486mg/dL(基準110~410)、IgM 188mg/dL(基準65~350)、尿素窒素30 mg/dL、クレアチニン1.6mg/dL。免疫血清学所見:CRP 0.5mg/dL、抗核抗体1,280倍(基準20以下)、MPO-ANCA 20EU/mL未満(基準20未満)、PR3-ANCA 10EU/mL未満(基準10未満)。
血清で低値を示すのはどれか。
a. LD値
b. 補体価CH50
c. 抗dsDNA抗体価
d. フィブリノゲン値
e. 総コレステロール値
症状の経過から全身性エリテマトーデス(SLE)を考える。
SLEの患者では補体系の活性が消費されることが多く、その結果、血清補体価が低下する。