問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
50歳の女性。前頸部痛を主訴に来院した。30分前に映画館で座っていたところ、後ろの座席にいた客が転倒した際に突然後頭部を強く押され、前の座席の背もたれの角に前頸部を強打した。痛みがとれないため、独歩で受診した。
意識は清明。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧140/80mmHg。呼吸数20/分。強打した部位の疼痛、皮下の血腫および腫脹を認める。診察中に唾液が口から漏れ、発声音域が次第に低下している。
まず行うべきなのはどれか。
a. 頸部CT
b. 咽頭造影
c. 頸部冷却
d. 気道確保
e. 副腎皮質ステロイド吸入
頸部の血腫により、気道が圧迫されている状態。
いつでもどこでも『救急のABC』
・A:air way 気道
・B:breathing 呼吸
・C:circulation 循環