問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
68歳の男性。右小指が伸ばせなくなったことを主訴に来院した。糖尿病にて内服治療中で、HbA1cは6.3%(基準4.6~6.2)である。10年前から右手掌の小指側に硬結を触れ、硬結は徐々に硬くなってきた。洗顔の際に右小指で眼や鼻を突くようになってきたため受診した。
硬結は22×8mmの大きさで索状に縦走する。右小指中手指節関節(MP関節)が屈曲しており、自動、他動ともに屈曲40°までしか伸展できない。他の指に可動域制限を認めない。感覚障害はなく握力も低下していない。
最も考えられるのはどれか。
a. 屈筋腱断裂
b. 伸筋腱断裂
c. 尺骨神経麻痺
d. 後骨間神経麻痺
e. Dupuytren拘縮
デュピュイトラン拘縮の症例である。
手掌にしこりができると同時に皮膚がひきつれ、徐々に指が曲がっていく疾患です。糖尿病患者におおく報告されます。